2008年06月25日
熱い人たちが山を動かす GAGA遊長崎合鴨水稲会 田んぼの座談会
担当者: 矢野カテゴリー: 九州・沖縄エリア(長崎県)
キーワード: 雲仙市 / 合鴨 / 雛 / フリースクール / 棚田 / 座談会 / イノシシ肉 / そうめん
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週末になると大雨という事態が続き、近畿、中国、四国担当のみなさんは、あっちこっちのレポートが次々に出されているのに、九州の取組は雨での順延。歯がゆい思いをしておりましたが、やっと、ようやく立会いに出向くことができました。
記念すべき第一回目は長崎は雲仙市。千々石(ちぢわ)の棚田で行われたGAGA遊長崎合鴨水稲会の田んぼの座談会です。

GAGA遊長崎合鴨水稲会の教育ファーム事業の参加者は、フリースクールに通っている中学や高校への不登校の子ども達や、長崎県の若者サポートステーションに相談に来ている18才以上の若者達、共に、社会に上手く溶け込めない子どもや若者たちが対象です。
家に閉じこもるのではなく、農作業を通し、社会に復帰する接点の場として、農業体験をしてもらおうというもの。
こんな風に書くと、何だか眉根にしわ寄せて「今の社会とはっ!?」とか「教育とはっ!」といった激論を交わす堅苦しい雰囲気のものと思われがちですが、実態はじぇんじぇん違うんですよ。
それもこれもGAGA遊長崎合鴨水稲会の甲田さんあってのこと。
今回参加された方々は、長崎若者サポートステーションの代表、自然薯栽培の大家、イノシシ狩名人、諫早でジャガイモ育てているチャレンジャー、定年後放棄地になった山間農地をユンボで切り開き、合鴨米を育てている人、EM菌を使いボカシを使った独自の堆肥で無農薬野菜を育てている達人、地元のケーブルテレビさん、フリーライターのかわいいお姉さん、甲田さんの奥さん、農家のじいちゃん、ばあちゃんなどなど、多種多様な人たちが20人ほど。
それぞれが、甲田さんとの人生ドラマを共有しているのだなぁと思わせる親密さです。
甲田さんはそれらの人たちとケータイ一本で(電話もメールも、ファックスもないのです)連携を取っている神出鬼没な怪人です。みなさん「連絡が取れるかどうか、ぎりぎりまでドキドキする」と口々に。
GAGA遊長崎合鴨水稲会というのは、甲田さんの熱い思いと、魅力的な人柄に引き寄せられて集まってきたさまざまな人たちが集結した、梁山泊のような団体なんです。
私もお会いする前にケータイでやりとりしている時から、ぐいぐいと懐に入ってくる無邪気な話しっぷりにすっかり魅了され、甲田ファンになっていました。
笑福亭仁鶴と松崎しげるを足して割ったような風貌。
笑顔がめちゃめちゃチャーミーな甲田さん。

さて、そのほ場となる雲仙市千々石(ちぢわ)ですが、梁山泊にふさわしい山の中。
「橘神社に着いたら迎えに行くね」と待ち合わせ、軽トラックに先導され、濃霧の中を、ぐいぐい山に向かって進みます。

くねくね道を追いかけること15分。
やってきました。千々石下岳。
合鴨小屋も取り付けられ、網が張られ、先週、フリースクールの生徒による田植えが行われた田んぼが見えます。

そぼふる雨に身を濡らし出番を待つ合鴨先発隊。しとしと雨の中、よりすぐりの強い子が7匹ほど選ばれて、身を寄せ合っています。田には、合鴨逃亡防止のための網が張られ、準備万端です。
「合鴨を襲う動物よけの電気網を張るところも多いけど、ものすごお金がかかる。人間が一日見張って、夜は小屋に入れてやれば、電気網やら張らんでよかよか」と幸田さん。

甲田さんは、農薬を使わない合鴨農法に適した土地を探し歩いて、この千々石下岳の棚田に行き着いたのだとか。
今年は137羽の雛を宅急便(!!)で取り寄せました。
このハウスで、放鳥までの2週間を育てているそうです。

寒さに弱い雛たちは、こんなふうに管理されています。

合鴨の雛は、広い部屋一つに60羽、狭い部屋二つに各30羽程度が入れられ、各部屋には甲田さん手作りの電球を入れて温めたダンボール箱が置かれています。
合鴨の雛は寒いと寝る時に、山盛りに固まって寝る性癖があり、電球暖房装置がなく、全部同じ部屋に入れておくと、山の一番下に寝ている雛が何匹も圧死することが多く、試行錯誤を重ねた結果、今のような保育環境になったのだとか。
始めの頃はなんで朝になると死んでしまう子がいるのか、原因がわからず、悩んだそうです。

また放鳥後「合鴨に言うことをきかすのが一番難しい」のだとか。
去年は言うこときかすのに四苦八苦した結果、思いついたのが、音楽療法。
心穏やかに育ちそうなショパンの「別れの歌」などのクラッシックや、キタローの「シルクロード」が地べたに置かれたカセットから24時間、エンドレスで流れます。
「野菜も音楽聴かせるとおいしくなるっていいましょうが。鴨もいっしょ。やっぱ、音楽聴かせてみると、今年の子はなつき方が違う気がする」と、無邪気な甲田さん。ほんとか?

「ふーん、そういうもんばいねーーと、真剣に見入る合鴨同好会の人たち。
「ほら、見て!今年の子は、こんなに寄って来るとですよー」と餌をやってみせる甲田さん。
それを見た人らも「おおおお、こいつら、なついとうね」「音楽よかばいねー」「甲田さんは、目のつけどころが違うけん」と口々に感嘆の声を漏らす。

こうして、合鴨拝見は終わり。
「さ、みんなでおいしいもんば食べまっしょ」。甲田さんの一声で、ぞろぞろと今回田んぼ座談会が行われる納屋へと移動。
近くの農家のおばちゃんやばあちゃんらが、支度に追われてます。

今回のごはんの目玉は、甲田さんがしとめてきたイノシシ肉と島原特産のそうめん。

ここの水道は山のふもとから引いた湧水。それで茹でたそうめんは、何の薬味をつけなくても、ストレートにおいしい。
みんなうんまい、うんまいと舌鼓。

ここのほ場を貸してくれている宮島さんちのばあちゃん。汗だくだくになりながら、イノシシ肉を焼いている。
このイノシシがおいしいのなんのってっ!
イノシシ臭いと思ってましたが、全然臭くない。解体のやり方次第で、イノシシ肉の旨さは変わるのだとか。おいちゃんらが薀蓄をたれる、たれる・・・。

おなかいっぱいになって、やっと始まった「田んぼの座談会」。

人間関係な苦手で、考え込みがちな子どもたちが、有無を言わさず身体を使わなければならない農作業は、気持ちの救いになっている。
子どもや若者は、作業はきついけど、汗をかくのは気持ちいい。また作業に行きたくなると言っているという報告があり、何より彼らの救いになっているのは、村のじいちゃん、ばぁちゃんが「また、来たね。」「待っとったよ」という「心待ちにされている」気持ちなのだとか。
毎週水曜日に、長崎から1時間以上かけて、作業にやってくる若者ら。
取組は始まったばかりですが、梅雨が明けたら、一泊二日のキャンプをしてみんなでどんちゃん騒いで親睦を深め、次の取組を考えるのだとか。
これも甲田さんらしい。

水車村にする構想もあるんです。
このあたりは昔は、川のあちこちに水車があって、別名水車村と言われたのだとか。それを復興し、昔ながらの農業の知恵を再発見していきたい。
若い子たちも、水車づくりの土木作業は興味を持ってくれるんじゃないかと。
「朝倉の8連水車の倍の16連水車を作るばい」
(朝倉はほんとは三連水車)
と、意気揚々と夢を語る甲田さん。かっこいい!
合鴨米のブランド化の話もある。
合鴨米を使った日本酒づくりの話も持ち上がっている。
熱い思いがうずまいております。
それに、誰一人、一人勝ち、抜け駆けしようとは思っていないのがすごいとこ。
「みんなで何年か後には、ウハウハ言う」構想があって、それを夢見て、ウハウハ笑っている。
気持ちいい棚田や川に、気持ちいい笑いが響いていました。
記念すべき第一回目は長崎は雲仙市。千々石(ちぢわ)の棚田で行われたGAGA遊長崎合鴨水稲会の田んぼの座談会です。

GAGA遊長崎合鴨水稲会の教育ファーム事業の参加者は、フリースクールに通っている中学や高校への不登校の子ども達や、長崎県の若者サポートステーションに相談に来ている18才以上の若者達、共に、社会に上手く溶け込めない子どもや若者たちが対象です。
家に閉じこもるのではなく、農作業を通し、社会に復帰する接点の場として、農業体験をしてもらおうというもの。
こんな風に書くと、何だか眉根にしわ寄せて「今の社会とはっ!?」とか「教育とはっ!」といった激論を交わす堅苦しい雰囲気のものと思われがちですが、実態はじぇんじぇん違うんですよ。
それもこれもGAGA遊長崎合鴨水稲会の甲田さんあってのこと。
今回参加された方々は、長崎若者サポートステーションの代表、自然薯栽培の大家、イノシシ狩名人、諫早でジャガイモ育てているチャレンジャー、定年後放棄地になった山間農地をユンボで切り開き、合鴨米を育てている人、EM菌を使いボカシを使った独自の堆肥で無農薬野菜を育てている達人、地元のケーブルテレビさん、フリーライターのかわいいお姉さん、甲田さんの奥さん、農家のじいちゃん、ばあちゃんなどなど、多種多様な人たちが20人ほど。
それぞれが、甲田さんとの人生ドラマを共有しているのだなぁと思わせる親密さです。
甲田さんはそれらの人たちとケータイ一本で(電話もメールも、ファックスもないのです)連携を取っている神出鬼没な怪人です。みなさん「連絡が取れるかどうか、ぎりぎりまでドキドキする」と口々に。
GAGA遊長崎合鴨水稲会というのは、甲田さんの熱い思いと、魅力的な人柄に引き寄せられて集まってきたさまざまな人たちが集結した、梁山泊のような団体なんです。
私もお会いする前にケータイでやりとりしている時から、ぐいぐいと懐に入ってくる無邪気な話しっぷりにすっかり魅了され、甲田ファンになっていました。
笑福亭仁鶴と松崎しげるを足して割ったような風貌。
笑顔がめちゃめちゃチャーミーな甲田さん。

さて、そのほ場となる雲仙市千々石(ちぢわ)ですが、梁山泊にふさわしい山の中。
「橘神社に着いたら迎えに行くね」と待ち合わせ、軽トラックに先導され、濃霧の中を、ぐいぐい山に向かって進みます。

くねくね道を追いかけること15分。
やってきました。千々石下岳。
合鴨小屋も取り付けられ、網が張られ、先週、フリースクールの生徒による田植えが行われた田んぼが見えます。

そぼふる雨に身を濡らし出番を待つ合鴨先発隊。しとしと雨の中、よりすぐりの強い子が7匹ほど選ばれて、身を寄せ合っています。田には、合鴨逃亡防止のための網が張られ、準備万端です。
「合鴨を襲う動物よけの電気網を張るところも多いけど、ものすごお金がかかる。人間が一日見張って、夜は小屋に入れてやれば、電気網やら張らんでよかよか」と幸田さん。

甲田さんは、農薬を使わない合鴨農法に適した土地を探し歩いて、この千々石下岳の棚田に行き着いたのだとか。
今年は137羽の雛を宅急便(!!)で取り寄せました。
このハウスで、放鳥までの2週間を育てているそうです。

寒さに弱い雛たちは、こんなふうに管理されています。

合鴨の雛は、広い部屋一つに60羽、狭い部屋二つに各30羽程度が入れられ、各部屋には甲田さん手作りの電球を入れて温めたダンボール箱が置かれています。
合鴨の雛は寒いと寝る時に、山盛りに固まって寝る性癖があり、電球暖房装置がなく、全部同じ部屋に入れておくと、山の一番下に寝ている雛が何匹も圧死することが多く、試行錯誤を重ねた結果、今のような保育環境になったのだとか。
始めの頃はなんで朝になると死んでしまう子がいるのか、原因がわからず、悩んだそうです。

また放鳥後「合鴨に言うことをきかすのが一番難しい」のだとか。
去年は言うこときかすのに四苦八苦した結果、思いついたのが、音楽療法。
心穏やかに育ちそうなショパンの「別れの歌」などのクラッシックや、キタローの「シルクロード」が地べたに置かれたカセットから24時間、エンドレスで流れます。
「野菜も音楽聴かせるとおいしくなるっていいましょうが。鴨もいっしょ。やっぱ、音楽聴かせてみると、今年の子はなつき方が違う気がする」と、無邪気な甲田さん。ほんとか?

「ふーん、そういうもんばいねーーと、真剣に見入る合鴨同好会の人たち。
「ほら、見て!今年の子は、こんなに寄って来るとですよー」と餌をやってみせる甲田さん。それを見た人らも「おおおお、こいつら、なついとうね」「音楽よかばいねー」「甲田さんは、目のつけどころが違うけん」と口々に感嘆の声を漏らす。

こうして、合鴨拝見は終わり。
「さ、みんなでおいしいもんば食べまっしょ」。甲田さんの一声で、ぞろぞろと今回田んぼ座談会が行われる納屋へと移動。
近くの農家のおばちゃんやばあちゃんらが、支度に追われてます。

今回のごはんの目玉は、甲田さんがしとめてきたイノシシ肉と島原特産のそうめん。

ここの水道は山のふもとから引いた湧水。それで茹でたそうめんは、何の薬味をつけなくても、ストレートにおいしい。
みんなうんまい、うんまいと舌鼓。

ここのほ場を貸してくれている宮島さんちのばあちゃん。汗だくだくになりながら、イノシシ肉を焼いている。
このイノシシがおいしいのなんのってっ!
イノシシ臭いと思ってましたが、全然臭くない。解体のやり方次第で、イノシシ肉の旨さは変わるのだとか。おいちゃんらが薀蓄をたれる、たれる・・・。

おなかいっぱいになって、やっと始まった「田んぼの座談会」。

人間関係な苦手で、考え込みがちな子どもたちが、有無を言わさず身体を使わなければならない農作業は、気持ちの救いになっている。
子どもや若者は、作業はきついけど、汗をかくのは気持ちいい。また作業に行きたくなると言っているという報告があり、何より彼らの救いになっているのは、村のじいちゃん、ばぁちゃんが「また、来たね。」「待っとったよ」という「心待ちにされている」気持ちなのだとか。
毎週水曜日に、長崎から1時間以上かけて、作業にやってくる若者ら。
取組は始まったばかりですが、梅雨が明けたら、一泊二日のキャンプをしてみんなでどんちゃん騒いで親睦を深め、次の取組を考えるのだとか。
これも甲田さんらしい。

水車村にする構想もあるんです。
このあたりは昔は、川のあちこちに水車があって、別名水車村と言われたのだとか。それを復興し、昔ながらの農業の知恵を再発見していきたい。
若い子たちも、水車づくりの土木作業は興味を持ってくれるんじゃないかと。
「朝倉の8連水車の倍の16連水車を作るばい」
(朝倉はほんとは三連水車)
と、意気揚々と夢を語る甲田さん。かっこいい!
合鴨米のブランド化の話もある。
合鴨米を使った日本酒づくりの話も持ち上がっている。
熱い思いがうずまいております。
それに、誰一人、一人勝ち、抜け駆けしようとは思っていないのがすごいとこ。
「みんなで何年か後には、ウハウハ言う」構想があって、それを夢見て、ウハウハ笑っている。
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