2008年08月11日
天空の城より〜さぶみの宿泊体験レポ〜

担当者: 高野
カテゴリー: 中国エリア島根県
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 教育ファームの事業で知り合いになりました「さぶみ牧童探検隊」の京村さんに誘われ、8月1〜3日に開催されました「さぶみ宿泊体験」にボランティアスタッフとして参加しました。
 今回の事業ではないですが、かなりリンクするところもあり。個人的に参加させていただきましたが、その様子をリポートさせていただきまする。

 この宿泊体験は昨年に第1回が開催されました。かなり好評だったということで連続開催。今年は町外の児童23名が参加し、地元の子、それぞれの保護者などを合わせて50名以上の参加です。
 以前のレポートでも紹介しましたが「地元の小学校を存続させるため」というのが、左鐙の地域活動の根幹テーマです。イベントがPR活動でもあり。
 内容はかなり濃密で、参加児童とホストの楽しいエネルギーがやまびこのようにこだましていました。
 


 まず、参加者は5つの班にランダムに振り分けられます。友だちや兄弟と引き離されて、何となく不安な表情になるのは、左鐙のイベント初心者の子どもたち。
 地元っ子はホームゲームというだけでなく、ホストとしての余裕すら感じられます。ボクは、2班づけのスタッフということで。独身で普段から子どもと接触する機会がほとんどないボクにとって、子どもとずっと行動をともにするというのは、なかなかのプレッシャーです。
 子どもというのは、なかなかなシビアな目を持っているので、局面局面において、頼りになる大人であるとか、オモシレー大人だとかを的確に見抜くものです。逆を言えば、簡単に見限られる可能性もあるわけで。
 ボクはドキドキドキドキしていたんです。

 初日のプログラムは、左鐙小学校の見学と、自己紹介がてらのレクレーションでスタート。
 左鐙小学校は、赤い瓦のかわいらしい学校です。中をのぞくと、複式学級であることを前提に建設されているのが特徴です。それぞれがセパレートされているわけではなく、オープンになっています。ボクは1学年5クラス(各クラス45人ほど)の小学校に通っていて、隣のクラスやほかの学年で何が起こっているか分からなかったので、この風通し良さげな雰囲気は新鮮でした。
 地元っ子の案内で、学校の中を見たあとは体育館でレクレーション。伊藤にゃー先生の「TOTO便器」はいいですね。ウンコ肯定、脱糞礼賛。キャンプなどに行くと不慣れな生活で便秘になる人も多いとかで、そんなプレッシャーから開放されるいいお遊戯です。
 あなたもわたしもウンコする人! ウンコの前では人間平等です。人間礼賛でもありました。


 この日も京村牧場のおいしい肉をメインディッシュのバーベキューでお腹を満たしたあとは、夏の定番肝試しですよ。肝試し。
 ボクはその筋の人にいわせると、その手の存在が引っ付きやすい体質らしくて、こういうイベントには参加してはダメダメ、なんですが、こういうの好きなんですよ。
 会場は、左鐙にある下森酒造の蔵です。
 下森酒造は今年6月20日に、島根県の重要文化財に指定された老舗の酒蔵です。1874年創業で、江戸時代の土蔵や明治時代の建物やらが残る歴史ある酒造です。日本一の清流高津川の水でさぞやウメー酒が創られているのでしょう。
 真っ暗な蔵の中では、地元の中高生が隠れていろいろ仕掛けてくれます。ガタゴトガタゴト。子どもたちは震え上がったりして、かわいいんです。
 が、ボクは「やっぱり酒蔵だから松尾神社のご分霊が祀ってあるんだな?」とか、「あの窓の形が変わっている」とか、そういう方向に目が向いてしまいます。

 
 もっと明るいときにじっくり見学したいです。高津川の水質の素晴らしさを伝える意味で、酒蔵見学はありだなと。下森酒造では、おしゃれなカフェを営んでいて、かなり雰囲気良さげでした。

 時系列でイベントを追っていくと、大変な分量になりますので、ここからはポイントを拾って。詳しくは左鐙のブログをご覧ください。


 2日目は、眠い目をこすって朝食を作って食べたあとに、京村牧場で牛の飼育体験。また牧童探検隊の畑で収穫した野菜の出荷作業体験です。
 愛情たっぷりに牛や豚にエサをあげる子どもたちの姿。「昨日美味しくいただいたお肉さんたち」という自覚はおそらくないでしょうが、出荷するまでは愛情たっぷりに育てないと。複雑な心情ですが、教育ファーム事業のテーマである「生命」を考えるには、避けて通れない過程です。
 特に動物は、感情移入しやすいため、後に訪れる別れがズシッと来る可能性が高いです。今度機会があれば、どう伝えようとシミュレートしているか、きちんとお話を聞きたいと考えています。


 探検隊畑では、ナスとオクラ、キュウリ、プチトマトを収穫。ラベルを貼って、道の駅で販売する準備をしました。道の駅に設置する匣には、子どもたちの作業風景の写真が添付してあります。
 最近はスーパーの野菜売場でも「私が生産者です」と顔写真が飾ってありますが、作業風景の写真は珍しいかも。これって、なかなかの訴求ポイントではないでしょうか。
 そういえば、初回の取材では天候不順で京村牧場のロケーションがよく分かりませんでしたが、今回は快晴です。


 見渡せば、はるか彼方まで山々がつらなる風景が広がります。地元で通称「天空の城」とはよく言ったもので、山びことか木霊とかがいそうです。
 京村牧場では養蜂も行っていて、熊よけの電気柵を施してありました。最近、クマのいる山は豊かな山だ、と刷り込まれたボクとしては、それだけで底知れない自然を感じました。こういうところで、一人で暮らせるようになったら、スゴいカッコいい大人になれるんだろうなぁ、と。

 昼食は、横道小学校(廃校)の校舎を改築した「杣の里」でそば打ち体験&昼食。ここは左鐙よりもちょっとばかり標高が高いのですが、ずいぶんクールな空気が漂っていました。粉まみれになってそばを打って、満腹になったあとは川で泳ぎます。
 ボクは日ごろの寝不足がたたって、ここで頭が痛くなって小一時間ほどセミリタイヤ。自分のひ弱さをたっぷり自覚しました。悔しいかったです。

 宿泊体験は、このように各種メニューてんこ盛りでした。
 地元の人たちのサポートは厚く、目配り心配りも細かいところに行き届いていました。が、食事、眠る場所の準備(テント張り)などは自分たちでしなくてはなりません。結局、宿泊体験というのは、いろいろな生命との関わりを体験することなんだな、と感じました。
 食べること、寝ること。飼育体験や収穫もそうですし、川遊び、川釣りもそう。都会も人の営みで、都市も生命の一つの形です。ですが、それ以外の生命を自覚するのは難しいですね。


 子どもたちは虫取りに夢中になり、蜂に刺され、牛にエサをやって、そのお肉をウメーウメーとほおばる。そして、地元以外の子どもや大人と生活をともにする。
 今や学校の中ですら安全ではないような風潮で、殺伐とした社会ですが、なんともやさしい風景はまだまだ残っている。ボクはなんというか、里帰りしたような感慨すら感じました。


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