商店街歩記 vol.04:井尻商店街

2007.04.05 Mall 0 Comment Nori 252 views

 

概要

福岡市南区井尻にある「井尻商店街」は西鉄井尻駅に隣接し、県道31号線井尻六ツ角まで延びる400m足らずの隘路に集積した商店街である。
西鉄井尻駅からは多くの乗降客が行き交い、春日市との境界となる井尻六ツ角からの人の往来も多い。
また、JR笹原駅からも徒歩10分であり、南区の交通の要所とされている。
南区が運営するサイト「南区校区よかとこ再発見」によると、「井尻」の地名の由来には次のような記述があった。

 

万葉集にでてくる「伊知郷」の「伊知」からきているという説と、背振山の高僧へ院使が派遣されたときに泊まった「院使寺(いんじじ)」があったことからそれが訛って井尻になったという説があります。

 

その他の井尻地区に関する詳細な歴史的背景についてわからないものの、明治時代には高等小学校があり近隣地域の教育の中心地であったようだ(現在でも井尻周辺に複数の大学が立地しているのはその名残か)。
その後、大正13年に西鉄井尻駅が開業、さらに商店街が発展し始めたのは戦後の昭和20年代からで、昭和30年代には現在の形に整えられたという。
駅や商店街の周囲には住宅地が密集し、近代になって段階的に発展を遂げた町である。
 

印象

どちらかというと小規模で、「駅前にあるちょっとした商店街」という印象であった。
西鉄井尻駅の改札を出るとすぐ先に商店街の入り口があり、駅からの乗降客が吸い込まれるように流れていく。
井尻周辺には複数の大学が立地している関係で、とりわけ学生風の乗降客が目立って多かった。
商店街の通路は狭いが、車は並行する県道505号線を通るので歩行者は安心して通行することができるようだ。
その狭さのおかげで店頭と通行客との距離は近く、店の前を通りかかるだけで店の様子が分かりやすいのも特徴的である。
そのような特色があるにもかかわらず、歩行者の多くはほぼ素通りの状況であった。
そのため人通りが多い割には商店街そのものは活気が足りないように感じられる。
もう少し賑やかだったら、良い古めかしさや親しみやすさがありそうな気もするのだが、実際に歩いてみても閉店のシャッターやマンションで商店街としての連続性が遮られ、店舗がポツポツと点在するような感覚さえ覚えるのである。
最近まで生鮮専門店が入っていた旧「えじまや」は、現在工事中(何ができるかは不明)になっていて、駅前の商店街にはつきものの鮮魚や精肉の専門店が消えてしまっていた。
商店街の中にあるレンタルビデオ店も以前は「ニコニコマーケット」という専門店の市場だったらしいので、井尻商店街内の食料専門店はもうほとんど残っていないことになる。
西鉄井尻駅側の商店街入り口付近には「グルメシティ井尻駅前店」があり、その周辺にある八百屋はスーパーと合わせて利用されているようだ。
他には衣料品や薬局・100円ショップ等の生活用品店や郵便局がある。
利便性はあっても、日々の需要が高い商品やサービスを扱っているというわけではないので、それ自体が商店街全体の活性化にはつながりにくいように思われる。
飲食関連では、惣菜&パティスリー、手で持って食べるオムライス、揚げ肉まんなど、他の商店街では見られない珍しいお店があり興味深かった。
この辺りは大学が近く、学生が多く住むエリアとしても知られている。
食材を供給する場としての役割は薄くなりつつあるが、立地には大変恵まれているので、ターゲット層の転換等による今後の開発可能性は十分にあると思われる。

 

評価

※良い:5~悪い:1
・品揃え:2・・・・野菜以外の生鮮食料品はほとんどない
・アクセス性:5・・・・駅の目前で最高の立地
・アメニティ:3・・・・大学生が多く住む街なのだが・・・
・賑わい:2・・・・人通りも多くお店との親密感はあるものの淋しい
・ホスピタリティ:2・・・・いかに地域住民とのつながりを見出すかが鍵
・総合評価(平均):2.8・・・・立地の良さから今後の可能性にかけたい

 

こぼれ話

井尻商店街には子供向けの図画工作を学ぶ施設ができていた。
入り口を見てみると、子供達が作ったペットボトルのオブジェや粘土細工などが並んでいて、それがまたかわいらしい。
これが商店街の通りにあったら明るくなりそうだ。
商店街の中では、月始めの売出し「ふれあい市」の案内がアナウンスされていた・・・が、それを読み上げる年配アナウンス嬢の声が少し固く感じてしまったのは私だけだろうか?
それから、井尻商店街から脇道に入って、住宅街もウロウロしてみた。
商店街はすぐ近くなのに、一歩入るととてものどかで閑静だ。
車も離合できないような狭い路地が迷路のように続き、中には車さえ通れないような所もある。
井尻地区の住民にとって、車は返って使い辛そうにみえる。
道が複雑すぎて自分のいる場所がよく分からん!と思った矢先、出てきたのは商店街の入り口だった。
まあ何とかなるものである。

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