その弟が今最も関心を引かれているのが五重塔なんだそうである。
塔というのは、神のよりしろであり、塔を建てる際には、その筋の能力を持つ人らが結集して、金属探知機よりも鋭い知覚で最もパワーが強く、磐石な地盤を持つスポットを探り当てたのだという。
日本だけではなく、世界中、高い塔が立っているところは同じように超能力で探り当てた土地が選ばれ決定されたのだという。
「地震でも崩れないのは、耐震構造になっているからだ」といわれるが、それよりなにより、建っている土地に守られるものが大きいのだと弟は説く。
だから、人は、塔のそばに立つだけでものすごいパワーがもらえる。
「でもさ、このあたりじゃ、五重塔なんて、ないじゃん。
ちぇっちぇ。そんな話、関係ないし。」
と、ぶつぶつ言ったら
「なにをたわけたことを言うておる。
ものすごいもんがそばにあるじゃないか」
と一喝。

そのすごい場所とは、大宰府の国分寺。
そのそばに、七重塔の跡が残っているんだそうである。
作られたのは奈良時代。聖武天皇の頃。
五重どころか、七重の塔。
こんな最強の土地は九州にはない。
礎石の中心部に立つだけで、パワーに満たされるであろう。
と、弟は断言した。
わたしも、信じた。
元気になりたい時は、行ってみよっと。