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商店街歩記 vol.05・・・香椎地区商店街



【概要】
福岡市東区香椎地区には、大小合わせて13の商店街がある(香椎商工会連盟)。
香椎は、1977年(昭和52年)の福岡市マスタープラン(福岡市総合計画)において福岡市東部の副都心に位置づけられ、その後大規模な再開発事業が展開されている地区でもある。
福岡市新・基本計画-区基本計画』の「東区基本計画」をみると、香椎地区の目標の中には「界隈性を活かした賑わいのあるまち」として香椎駅周辺の商店街の活性化が上げられており、2015年までに道路・区画整備を行い商業エリア・居住エリアのゾーンニングを実施する計画を立てている。

他方、香椎は松本清張の『点と線』*1の舞台になったことでも有名である。
『点と線』は、香椎の海岸で「情死体」が発見されることからサスペンスはスタートする。
福岡署のベテラン刑事である鳥飼重太郎は捜査のため香椎駅周辺を回るのであるが、彼は次のように回想している。
西鉄香椎駅を通り抜けて、国鉄の香椎駅に向った。この2つの駅の間は、500メートルぐらいしかない。道の両側は、ややにぎやかな町なみであった。
西鉄香椎駅で降りて、海岸の現場までは、歩いて10分ばかりである。駅からは寂しい家なみがしばらく両方につづくが、すぐに切れて松林となり、それもなくなってやがて、石ころの多い広い海岸となった。この辺りは埋立地なのである。

また、香椎の海岸で死体となって発見される「お時」は、国鉄香椎駅から海岸に向かう途中で「ずいぶん、寂しいところね。」とつぶやく。
この「お時」のセリフは、香椎の海岸が『点と線』の舞台に選ばれた理由であるのだが。

『点と線』に登場する西鉄香椎駅は現在、香椎地区の一連の再開発事業(西鉄宮地岳線香椎駅周辺連続立体交差事業)により2006年5月に積み木のような高架駅へと様変わりしてしまった。
同じく『点と線』の中で香椎の海岸について次のような記述がなされている。
太宰帥であった大伴旅人はここに遊んで、「いざ子ども香椎の潟に白妙の袖さえぬれて朝菜積みてむ」(万葉集巻六)と詠んだ。
しかし、現代の乾いた現実は、この王朝の抒情趣味を解さなかった。

今、香椎の海岸から望むものは、巨大な人工島である。

<<OPEN>>
  • *1:1960年
    点と線―長編推理小説
    点と線―長編推理小説
    松本 清張
    光文社

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