商店街歩記 vol.01:美野島商店街
概要
福岡市博多区美野島にある「美野島商店街」(上記地図参照)は、城南線と百年橋通りに挟まれたエリア内の十字路に沿って集積している。
美野島エリアに関する詳しい歴史的背景はわからないが、大きく分けて百年橋通りを堺に南は工場地帯、北は昔ながら住宅街というエリア構造をなしている。
南エリアでは、平成元年に本州製紙福岡工場が移転、その跡地には福岡市の住宅市街地総合整備事業(通称「りぼんシティオ那珂川」)により大規模なマンションが建設され、那珂川河川敷も含めて(「那珂川ふるさとの川モデル事業」)総合的な街開発が進められた。
(現在も南エリアには松下電機工場があり、かつてこの松下工場の近くに国鉄筑肥線の「筑前簑島駅」があったことから、工業団地が商店街を支えたという話だが・・・・)
一方、住宅街である北エリアの雰囲気を上手く表現した書込みが2chにあった。
「探偵物語」の工藤ちゃんがもし福岡に住むなら、きっと美野島の古いビルの最上階にいそうだよね!
まさにそんな場所である。
印象
美野島商店街は、国土交通省の施策をベースに、2005年10月14日から1ヶ月間「お外に出ようプロジェクト in 美野島」という社会実験を行い一時期マスコミでも大きく取り上げられた。
しかし、マスコミやその他の媒体でも相当評価されている、その期待感からくるギャプが大きいのだろうか、実際に行ってみると、その第一印象は「さみしい」であった。
美野島商店街は土日が休みで、日曜日の閑散とした商店街の写真を事前に見ていたのだが、平日の午前中は土日の状況とほとんど変わらないように思われた。
平日のAM11時ごろにもかかわらず、まだシャッターの閉まっている店舗もあり、統一感がなく活気がないように感じる。
『福岡県商店街名簿』(平成16年7月現在、福岡県調べ)によると美野島商店街の店舗数は36店、空き店舗は8店とのことだが、それよりもはるかにシャッターの閉まった店舗が多いように思われた。
また、道幅が狭いわりには抜け道利用の車も比較的多く、お年よりや子どもなどには危険である。
マスコミで紹介されていた「みのしまランチバイキング」を密かに楽しみにしていたが、現地スタッフの方の話よると、冬場は寒いので実施していないとのこと。
美野島商店街のHPにはそのことはまったく載っておらず、私たちのようにいつでもやっていると勘違いしてやってくるお客さんも多いらしい。
商店街ではよく採用されているインセンティブ方式が美野島商店街にもある。
「みのちゃんシール」だ。
加盟店で100円買い物するごとに1枚もらえる。
規定枚数に達すると、そのまま金券(1冊200円相当)になるだけでなく、図書カードや商品券、あるいは銀行・郵便局で預貯金(現金化)も可能である。
ただし、「みのちゃんシール」を1冊分貯めるには200枚、つまり20,000円分の買い物をしなければならない。
商店街の商品単価を想像すると、日ごろ利用する人でもかなり日数がかかるし、私たちのようなスポットでやってくる客にはほとんどインセンティブにならないだろう(だいたい、シールを貼る台紙がA3サイズ2つ折りは大き過ぎる)。
加えて、「みのちゃんシール」がもらえる加盟店がどれなのか区別がつかないのも問題に感じた(入手したチラシで確認すると加盟店は28店?)。
正午過ぎになると、ようやく来街客も見られるようになった。
主な客層は年配の女性であったが、中には若い女性も見受けられる。
全般的に私たちの買い物意欲をそそる店舗や商品はなかったのだが、同行したメンバーは八百屋の野菜盛りの激安価格に何度も足を止めていた。
しかし、最終的には産地がわからず購入を断念してしまった。
評価
※良い:5~悪い:1
・品揃え:2・・・・残念ながら欲しいものはなかった
・アクセス性:2・・・・自動車でのアクセスは危険
・アメニティ:3・・・・危険な空気を好む方には◎かも
・賑わい:2・・・・一過性のプロジェクトによる盛り上がりだけでは
・ホスピタリティ:3・・・・「ゆらりん」の皆さんに敬意を表して
・総合評価(平均):2.4・・・・日常の買い物場所としてはいまいち花がない
こぼれ話
休憩のために入った「ゆらりん」で平成16年に実施された『美野島地校区まちづくりアンケート』結果の概要版を手に入れた。
概要版を見るうちに報告書の本編が見たくなった。
概要版には、「美野島公民館に調査報告書がございます」と記されていたので、公民館に行くことにした。
公民館で報告書を見せていただくようにお願いすると、公民館の人たちはみな「?」といった面持であった。
それでも親身に館内を探していただき、関係者に問い合わせましていただいたのだが、「見たければ事前に連絡をいただかないと」といわれる始末。
そもそも、美野島校区まちづくり協議会は美野島公民館内に設置されていることになっているのだから・・・・。
マスコミやその他の媒体から、美野島校区の街づくりは地域一体となって取組んでいるという印象を持っていたのだが、どうも意外にそうではないのかと思わせるエピソードであった。
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美野島で見た移動式のハンバーガー屋さんがさっきテレビに出てたよ。
「タッキー&翼」の翼君がフォアグラ入りのハンバーガーを食べてた!
写真をクリックした時の、「写真」の出かたがクールで良いですね。商店街歩記はシリーズなのかな、楽しみです。
むかし、masterさんが英語の勉強のためにポーターを読んでいましたよね。戦略論のやつです。A先生と一緒に。
あれを少し勉強してみようかなと思います。産業クラスターというやつですね。
いろいろ、教えて下さい。
speedyさん、早速お越しいただきありがとうございます。
写真・・・・ちょっと良い感じですよね?(笑)
相当気に入っています。
「商店街歩記」はシリーズ化します。
今週、また商店街に行くので随時レポートしていきたいと思います。
ご指導、ご鞭撻、よろしくお願いいたします。
マイケル.E.ポーターですよね?
間違いなくA先生にご教授いただきました。
でも、何を読んでいましたっけ?
ちょっと家捜しします(汗)。
面白いレポートですね。
その地図を拡大すると柳橋連合市場に「萬月堂」という店舗がありますが、そこが私の実家です。
橋を渡れば美野島なんですけど、子供の頃からそっちで遊んだ記憶は余りありませんね…。影が薄いというか、良く言えば穴場的な界隈だったという印象です。
昭和30年代ふうのレトロ地区を作り上げれば面白いんじゃないかと、美野島の実情を知らないで勝手な空想をしてみたり。
祐さん、いろいろお世話になってます。
そういえば柳橋っ子でしたよね。
「萬月堂」さんは、お惣菜屋さんですか?
今度、お邪魔するかもしれません(笑)。
美野島エリアですね、私も福岡県人じゃないので、よくわからないのですが、数々の取組み、ちょっと違うんじゃないかと感じています。
そういえば、美野島商店街にて「とんちピクルス」さんもライブをされたことがあるようですね。
祐さん>初めまして!先日から何かとありがとうございます。これからも懲りずによろしくお願いします<(_ _)>
美野島商店街は、「昭和の台所」のような雰囲気の商店街でした。
人に聞いた話では、夕方はちゃんと活気があるとか??
夕方に行ったことがある人、もしいたらどんな感じか教えてくださーい!