「お蚕さま」の魅力にコクーニングを破る #蚕繭糸織

2018.03.23 Selfish Study 0 Comment boff 43 views
インスタレーション 「繭から織へ 糸のテーブル」(制作:前田智洋 氏)

 

3月4日(日)、「博多町家」ふるさと館にて開催された「蚕繭糸織」(サンケンシショク)というイベントを見学してきました。
九州大学ソーシャルアートラボのイベントで、タイトルからもわかるように「蚕」がテーマです。

 

さて、なぜわざわざこのイベントを見に行ったのか?その理由についてです。
最近お気に入りのLOVE FMの「月下虫音(げっかちゅうね)」というラジオ番組の中の告知をたまたま聞いたのがきっかけでした。
番組にはこのラボメンバーの学生さんが出演されていて、研究者らしい語り口で蚕の魅力を切々と話しておられました。
その話の中で興味を惹かれたのは3点ありました。

 

1つ目は、「蚕繭糸織」というのがこのイベントのために作った造語だという話。
「蚕」という天の虫が、自分の吐き出す糸で作った殻の中に入ることで「繭」になり、その繭から虫はいなくなるが「糸」が紡がれて、その糸を材料に音を立てて最後は人が「織」るという時間軸を表現した言葉だという説明に、感銘を覚えました。

2つ目は、繭を茹でるプロがいるという話。
話によると茹で時間などによって絹糸の品質に大きな差が出るらしく、その話を直接聞いてみたくなったのです。

3つ目は、茹でた繭から絹糸を引く最初の緒(いとぐち)を間違うと十分な長さの糸が取れないという話です。
そのことが、ラジオの説明ではよくわからなかったので、直接見てみたくなった点です。

 

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実際に会場に行ってみたら、ラジオ番組に出演されていたメンバーの方にお会いすることができ、いくつか質問をしてお話していただきました。

うかがったお話でへーっと感心したことは、まず、「お蚕さま」は人間による過保護な飼育の結果、幼虫の握力はほとんどなく、風が吹いたら桑の葉から落ちるし、成虫になって羽があっても飛ぶことができないそうです。
およそ5000年も前から、人間は蚕を飼育して絹糸を取ってたっていうから驚きです。

また、繭を茹でる時間によって糸の質が変わる理由は、絹糸はタンパク質からできているので、茹ですぎると固くなったり、肌触りが悪くなったりするんだとか。
「お蚕さま」は桑の葉だけから、体内で糸状のタンパク質に変換して、蛹を守る繭を作るなんて、生命の神秘しかありません。

 

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糸引き体験もさせてもらいました。
繭を手の上に乗せた感想は「軽っ!」でした。
こうやってひとつの繭から1本の絹糸を引いて、何本か紡ぎ絹糸にするんですね。
ちなみに、繭1個から約1,300mの絹糸が採れるそうです。

 

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蚕を研究している学生さんの話がおもしろくて、「お蚕さま」への興味がどんどん湧いてきました。
知的コクーニングを一枚破り捨てた感じです。

できれば、「お蚕さま」の桑の葉もぐもぐタイムが見たかったのと、30分ひたすら糸引きを続けるパフォーマンスはちょっと高尚すぎて凡人には難しかったです。

 

 

 

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