土の布団と人の重み

2008.09.27 Edu Farm 0 Comment boff 26 views
子どもたちにはおなじみのとってもハートフルな畑さん

 

9/22(月)、秋晴れ。
和歌山県紀の川市の名手小学校3~4年生(約70名)が大根の種まきをしました。
指導していただいたのは紀の川市環境保全型農業グループ会長の畑さんです。
畑に集合して、担任の先生が「今日、大根の種まきを教えてくださる畑さんです。畑さんは大根の達人で・・・」と説明しようとしたとたん、子どもたちが「知ってる!!」といっせいに大声をあげるほど、子どもたちにとって畑さんはもうおなじみの存在なんです。

まずは畑さんから大根の種まきについて以下のような説明がありました。

 

みんな、彼岸花って知ってるかな?
夏が終わって秋口の涼しくなったころに畦道に咲く、あの赤い花です。
大根の種は、彼岸花が咲くころにまくとちょうどいいといわれています。
そして種をまいてから、だいたい80日ほど経ったら大根の収穫です。

 

恥ずかしながら、そんなこともまったく知りませんでした。
例えば、「大根の種をまく時期は9月中旬ごろ」といわれるより、「彼岸花が咲くころ」と教えられる方が実践的だし印象に残るような気がしました。
さらに畑さんの説明が続きます。

 

昨日、雨が降ったせいで土がちょっと湿気てて重たいです。
大根の種をまくには、今日はちょっと難しい状況なので、説明をよーく聞いてくださいね。
種は1ヵ所に3粒ずつまきます。
まくときには手で少しだけ土を掘って、種を置いて、種の上に軽く土をかぶせてやってください。
そして、土をかぶせたときに、手で軽くポンポンと叩きながら、「がんばれよ!」って声をかけてやってよ。
注意しないといけないのは、あんまり深くに種をまいたり、種の上に土をかぶせすぎると、息ができなくなって種が死んでしまうので、種の頭が見えるか見えないかくらいにしてください。

 

畑さん曰く、「今日の畑は昨日降った雨を含んでいて重く、また酸素量も少ないので、下手をすると芽が出ないかも」とかなり心配されていました†1
素人的な発想で「植物には水」と思っていましたが、「種も呼吸をしないと死んでしまう」ということを改めて認識しました。
説明が終わったところで、畝を中心に二手に分かれて早速種まきスタートです。
ちなみに、4年生は昨年経験済みです。

畝の真ん中に赤い印がついたヒモを張り、その印から少し手前に種をまくよう説明があったはずですが、今年初めての3年生はスタート直後、畝のど真ん中に種をまいたりしていました。
そのほか、種を同じところにドサッとまいたり、またただ置いただけで次に進もうとする子どももいたり。
その都度、畑さんから「真ん中にまくんちゃうぞ」とか「まいたら種の上に『土の布団』をかけてやってよ」と手取り足取り指導がありました。

 

2~3日したら芽が出るよ。早っ!?

 

一方、子どもたちも畑さんに「大根の芽はいつごろ出てくるの?」と質問し、「2~3日したらかわいい双葉が重たい土を持ち上げて出てくるよ」という話に、「早っ!?」と感嘆の声をあげていました。

ただ少し残念に感じたのは、ハートフルな畑さんの指導がありつつもそれを打ち消すかのような、担当の先生の「ハイ!まいたら移動するぞ!」という単調な号令によって、何となくオートメーションの流れ作業になっていた点です。
結果、子どもたちもどこにまいたのかまいてないのかよくわからないまま移動せざるを得ない状況になっていました。
そのあたりが少し気がかりだったので、4年生のある子に「去年種まきしたんよね?覚えてる?」とたずねてみると、少し間があって「・・・・もう忘れた。あっ!でも、大根を抜いたときのことは覚えてる」という返答が。
やっぱり収穫体験は印象に残っていても、種まきは忘れてしまうものなのかなと思いながらも、「単なる流れ作業」になってしまっていることにももしかしたら原因があるのでは?と感じました。

良いか悪いかは別にして、子どもたちによる種まきは早々と終了。
まき終わった畑を確認すると、やはり結構まき忘れている部分が目立ちました。
畑さんともども視察に来ていた私たちでもう一度大根の種をまきながら、「発芽しなかったらしなかったでそれも勉強ですよね?」と畑さんに問いかけると、「そうやね。それでもいいと思う」と笑顔でおっしゃっていました。
手直しを終えた畑を見ながら、畑さんが誰にいうでもなくつぶやかれた一言がとっても意味深でした。

 

かたくしまった地面、人の重み

 

朝、あれだけ軟らかかった土が、子どもたちが踏みしめただけで今はもうカチカチや。
人の重みっちゅうのは、やっぱりたいしたもんやなぁ。

 

限られた時間内に間違いなくやり終えることも大事かもしれませんが、本来求められることは「農作物の命を通して命を育んでいるんだ」というセンスじゃないでしょうか?
ついでに、5年生の田んぼの様子も見せていただきました。
こちらも間もなく収穫ですね。

 

収穫が待ち遠しい

Notes

  1. 畑さんから後日「ちゃんと双葉がでましたよ」と連絡いただきました

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